 |
|
 |
イリトウヌシ沢を滑り込んで400mの登り返し |
|
陽だまりの竜門小屋は実に素晴らしいビアガーデン |
 |
|
 |
北寒江山を越えて狐穴小屋を目指す |
|
三面コース方面の相模山 |
【5月4日】
今日は本命の以東岳を目指して出発の予定だが、初日の宴会疲れの為か朝の出だしは極めて悪い。今日は狐穴小屋泊まりの為荷物をまとめ、自分はシールを付けっ放しで雪の主稜線を辿って出発。両氏はシール無しで登りはポチ紐使用だが、結局両者殆ど差は無く東側に張り出した雪庇を辿り、寒江山〜北寒江山を通過して三方境でスキーを担ぎ、10分ほど夏道を辿ると狐穴小屋に到着した。
間もなく相模山方面に散策に出かけていた小屋番の安達さんが戻り、本日3名は狐穴小屋泊まりと決め込んで日帰り装備で出発する。今年の朝日連峰は3月に高温続きで雪が一気に融け、山肌は黒々と薮が露出しているが、意外と主稜線は東側に雪が繋がっており、シール走行の連続で進む事が出来るのは幸運。次第に以東岳が迫ってくると、朝日連峰では最も大きなボリュームのピークだと実感できる。以東岳からの帰路だって素晴らしい斜面が続き、楽しい滑りが出来そうだ。
|
|
|
|
 |
|
 |
以東岳までの主稜線はシール&ダウンヒル |
|
次第に近づく以東岳はボリュームが有る |
以東岳に到着してみると5人の先客が休憩中だったが、彼らは茶畑山から縦走してきた西川山岳会のメンバーで、雪不足のコースは薮こぎ10回の苦難の旅だったらしく、疲れ果てた様子で以東小屋へ向かって行った。2年前の同時期には2回の薮こぎだけだったが、帰路も同じコースとは実に気の毒な話。同行した2名の女性もさぞ大変な山行にだったと推測いたします。
山頂からは「白熊」姿の大鳥池が眼下に浮かび、周りを小法師山〜化穴山〜甚六山の連山に囲われ、ひっそりとたたずむ姿は印象的だ。出来ればその連山を走破したいと思うのは私だけではあるまい。山頂からは直登コースを辿る予定だが、コースは途中で切れて薮が露出しそうで、何か確信は無いまま柴田さんがトップでスタートを切る。小屋を通過して雪が薄くなるが、直登コースの緩い斜面に繋がってスピードを上げる。
大鳥池の全貌が見え出すと斜面も適度な傾斜となり、比較的締まった斜面をスピードに乗ってどんどん下降
する。雄大なコースにはロングターンが良く似合い、板も良く走ってスピードはオーバー気味になる。次第に尾根上のコースとなり、薮が出て来て尾根沿いのコースは外す事になるが、右の沢筋には雪が繋がって大鳥池に至る様だ。このルンゼは急でエクストリームスキーの雰囲気が有るが、先頭を行く柴田さんは何の躊躇も無く飛び込んで行く。
|
 |
|
 |
以東岳直下の斜面をラストスパート |
|
以東岳の山頂からは緩い斜面をスタート |
 |
|
 |
白熊の姿をした大鳥池が迫って来る |
|
最後の400mは急峻なルンゼを下降する |
北斜面の為か雪は比較的締まっており、滑りは結構快適なのだが膝に負担が掛かり、途中で小休止を取りながら慎重に下降して行く。どうやら大鳥池まではきれいな斜面が連続し、ようやく目標が達成出来そうで心が躍ってくる。ここまで来れば最後まで行くしかない雰囲気となり、急なルンゼを400m滑り込んで沢床に降り立つ事が出来た。振り返ってみるコースは厳しい急斜面が待っており、不安定なブロックが我々の頭上に待ち構える。
登り返しには最初からスキーアイゼンをセットし、爪を良く効かせながら少しずつ高度をかせぎ、最も急峻なノドを通過して左の潅木帯に逃げ込む。更に400m高度を上げようやく以東小屋に到着し、今日宿泊の西川山岳会のメンバーと雑談をした後帰路に付く。今日は以東小屋から化穴山を往復した男女パーティーがいたが、後のなってそれが「山人小屋」サイト管理人の山人さんと解った。山頂からは大朝日岳に至る主脈の全貌が美しく、豪快な斜滑降で往路コースを辿って最低コルに至り、所どころ板を引っ張りながら狐穴小屋を目指して行く。10時間半の行動時間となると流石に疲れてしまい、狐穴小屋での宴会も早めに切り上げる結果となる。
|
|
|
|
 |
|
 |
北面のルンゼは適度な硬さで快適に下降 |
|
スキーアイゼンを効かせて急斜面を登り返す |
 |
|
 |
バックは茶畑山〜戸立山方面の迂回コース |
|
以東岳から狐穴小屋を目指して |
 |
|
 |
以東岳から狐穴小屋までの主稜線も素晴らしいコース |
|
ひっそりをたたずむ狐穴小屋 |
【5月5日】
自分だけ朝食をとった後に狐穴小屋廻りのゲレンデを1本滑り、6日まで滞在する両氏と分かれて竜門小屋経由で帰路に着く。幸い天候も3日間ほぼ安定して恵まれ、会心の一本を滑って満足感に浸れたのは幸運で、これで5月の朝日連峰は一区切りついた様な気もする。大勢の仲間と共にする機会は少ない自分だが、こういう雰囲気だってけっして嫌いではない。
山スキーは雪の斜面に思い通りのコースを描けるのが魅力だが、その人の価値観こそが大きな意味を持つ遊びだと思える。どんなにアプローチが困難なコースでも、遊び心を持ち続ける人は山スキーから逃れられないし、好奇心と体力が続く限り終わりは無いだろう。そういう意味では病的な趣味でもある。帰路は竜門山からの下降で1100mまでスキーが使えたが、後はのんびり花の写真などを撮りながら歩いて駐車場へと戻った。
|
|
|
|
 |
|
 |
??? |
|
イワウチワ |
 |
|
 |
つつじもようやく開き始める |
|
タムシバ |
 |
|
 |
タムシバは今が最盛期 |
|
カタクリ |